『忘れられた日本人』の大浦峠はどこか?

「忘れられた日本人の口絵の写真はどこだろうか。」M先生からの質問。昨日、大浦やまんかん祭りを見て、ふと思い出されたという。

岩波文庫版『忘れられた日本人』をめくってみた。なんと、「薩摩半島大浦峠の頂上で鎌の行商人からはなしをきく著者」とある。南さつま市大浦町のことに間違いない。とすれば、行商人の売る鎌は、加世田鎌か。

周防大島町「宮本常一データベース」によれば、宮本常一は、昭和34年4月、坊津から大浦・笠沙路を歩いている。写真2697が大浦峠の南、2698が大浦峠の北という説明。まったくの同じ画像はないが、コースからしてこの時に撮影されたものだろう。そして、この大浦峠は、坊津町久志から大浦に抜ける県道272号線のことだろう。今でも、「本当に県道なのだろうか」不安になるほどの、つづら折が続く。

うかつであった。宮本常一『忘れられた日本人』は、私の高知時代からの愛読書。土佐源氏以外にも、身近なところに忘れられた日本人がいる。