金峰2000年橋竹灯籠祭り:竹灯籠の作り方

引き続き「金峰2000年橋 竹とうろう & 音楽祭」の話題です。
―2010年11月6日~7日 南さつま市金峰町大坂地区で開催―
今日は竹灯籠作りの作業工程を、順に紹介していきましょう。
【伐採・搬入】
竹は、南さつま市金峰町大坂地区のモウソウチク(孟宗竹)を使います。
大坂の牛之河内・長音寺・黄和田集落の竹山から切り出したものです。
今年は、2トントラックで、5、6台分ぐらいあったそうです。
大坂と阿多の作業所に、半分ずつ搬入。
材料に用いる孟宗竹の稈径(茎の直径)は、実測したもので最大17センチもありました。
これだけの竹を、切り倒し、枝を払って運ぶのは、大変だったことでしょう。
【裁断】
作業所に搬入した竹を、節のところで裁断します。
上部は、斜め45度(小さいお持ち帰り用は20度)に切ります。
電動のこぎりを使います。
灯籠には、2種類あります。
一つは、竹灯籠祭りの会場に据え置く、「展示・点灯用」。
もう一つは、見学する皆さんの「お持ち帰り用」です。
お持ち帰り用は、直径10センチ程度のもので、節一つ分です。
展示・点灯用は、大小さまざま。
節2つ分から、7つ以上の長いものまであります。
裁断も、用途に合わせて、節いくつ分にするか考えて行います。
【節抜き】
展示・点灯用の長い灯籠を作るときは、節をノミで叩いて、取り除きます。
節抜きは、最後の乾燥作業後でも、よいようです。
【製図】
厚手のトレース用紙に絵を描き、くりぬいて、型紙を作っておきます。
絵は、トンボや花柄など。
型紙を竹に置き、型紙のくりぬいた部分にマジックを立てて絵をなぞっていきます。

【彫刻】
型紙を取り除き、電動ドリルで、ポイントに穴をあけます。
エアーソー(のこぎり)で、ポイント間をつなげ、ラインを整えて透かし彫りを仕上げます。
【乾燥】
バーナーで竹の表面を焙り、水分を飛ばします。
水分が残っていると、カビが発生します。
焙っては雑巾で拭くという作業を繰り返すと、よい色に仕上がります。



いかがでしたか。最新の電動工具を使っているものの、とにかく一つずつ手作りです。根気よく5000個。大変な作業です。バーナーでやけどをしたり、なれない人はバンソウコウもいっぱい…。
灯籠祭り当日は、製作者の皆さんの汗を感じながら、幻想的な世界をゆったり楽しみたいですね。平成の竹細工師に感謝。
※地名読み方
阿多:あた。大坂:だいざか。牛之河内:うしのこうち。長音寺:ながおんでら。黄和田:きわだ。
※お持ち帰り用は、竹灯籠500円のものと金峰神社御札付1000円のものがあります。当日祭りで奉納し、祭りの終了後に渡してもらえます。
→動画で見る「金峰2000年橋竹灯籠祭り:竹灯籠の作り方