鹿児島の春祭り

山宮神社の田打ちに登場する模造牛を見てふと思いました。「牛かなあ」。これは牛に見えますか。それとも馬ですか? いずれも鹿児島の春祭りで登場する仮面や模型です。今年は北薩、南薩、大隅と、三つの春祭りを見て回りました。
羽島崎神社春祭り(いちき串木野市)
山宮神社春祭り(鹿屋市串良町)
小湊お伊勢講疱瘡踊り(南さつま市加世田)
真ん中の写真の模造牛は2匹いますが、奥のほうは引退した牛、手前が平成5年から活躍しているものです。引退した牛は馬にも見えませんか?
下のは疱瘡踊りの馬方踊りで登場する馬です。薄い板で作ってありますが、鹿屋の牛と似ていますねえ。
上の写真は、山宮神社と同じ「田打ち」という農耕儀礼で登場する牛です。(羽島では「太郎太郎祭り」とも呼ばれます。

実は下の写真を撮った南薩地区では、田打ち習俗が見られません。その代わりに、春祭りとして御伊勢講行事が盛んです。北薩では牛面の登場する太郎太郎祭りがいくつもあります。もしかしたら、田打ちの牛面が疱瘡踊りの馬模型に変換していたりは、しないでしょうか。
鹿児島の春祭りを、ぼつぼつ考えていきたいと思いました。