南さつま市白川の鬼火焚き

やぐら作りから、やぐら守り、翌朝の点火まで、金峰町白川の鬼火焚き「おねっこ」を、はじめてじっくり調査することができました。

実はこの白川の鬼火焚きも復活行事。戦後中断していた行事を、地域活動に熱心な皆さんの手で、1978年に復活させたものです。復活行事といっても、すでに30年以上の伝統です。やぐら作りも分担作業で手際よく進んで行きました。

復活の際、かつて行われていた集落単位の小さな鬼火焚き行事を、北薩で見られるような巨大やぐらの鬼火焚きに変えたそうです。

それでも大切な部分もきちんと伝承されています。
  • 竹ヤグラとともに、正月飾りを焼く→お飾りについた鬼(悪霊)の退散を願う意味
  • 残り火で餅を焼いて食べる→鬼火焚きの火の力で無病息災を願う。

子供たちが参加する伝統行事が少なくなる中、鬼火焚きだけは、地域をつなぐ新たな民俗行事として、復活・風流化しているなあと感じました。

朝の8時から翌朝7時まで、まるまる1日の伝統行事。伝承にはいろいろな課題もあるでしょうが、子供たちにも大人たちのふるさとを思う気持ちは、きっと伝わったことでしょう。

○調査地:鹿児島県南さつま市金峰町白川「前田の田んぼ」
○調査日:2012年1月7日・8日

解説: 鬼火焚き - 鹿児島祭りの森